「縫製技術を高める方法とメリット」
前回記事の続きです。
今回も、下記のリンク先ブログの紹介です。
を、犬服版に補足していきます。
前回同様、リンク先の記事を、一度だけでは、内容の理解まで難しいかもしれませんので、しっかり繰り返し読んでみてくださいね。読んだ後に、こちらの記事を読み進めてください。そして、またリンク先の記事を読み返してもらうと更に良さそう。
服としての共通項があるので、ためになる記事がありますので、メンズモデリストなんて関係ない、なんて思わずに、興味を持つタイトルがあれば、ぜひぜひ読んでみてください!
縫製技術が高まったら、メリット盛りだくさん。
縫製って、やり方や手順を知れば、それで誰もが同じようにできるなんて甘っちょろいものではなくて、パターン同様にとーっても奥深くて、難しくて、だからこそやり甲斐もあるし楽しいはまれるジャンルだと思っています。
手順だけを知ったところで、技術なんて何一つ修得できませんし、教わって1着作った程度では、それを "できた" 状態とは言えません。教わりながら1着完成した段階は、"知った"というスタート地点で、そこから習得に向けて出発♫ という段階です。
縫製技術を高める方法はどうしたらいいのか、そしてそのメリットについて、記事を参考に書いていきます。
紹介されている方法は2つ。
「フル工程を学んで全体観を理解する」
「各工程にあるテクニックを習得する」
記事にも書かれていますが、専門学校では、ディテールばかりを繰り返し学ぶことが多く、フル工程で学ばないことも多いです。
当スクールでは、フル工程で学んでもらっていて、更に、各工程にあるテクニックも学んでもらっているので、学んでもらっている内容として、どちらもカバーしています。
また、このフル工程は、パターンのみ、縫製のみでもなく、パターン→縫製と、服が完成するまでのフル工程で学んでもらっているので、これは非常に良い方法となります。
「この作業を経験しておくと、技術に関する色々な書籍や講習会での理解が格段に高まります。是非、フル工程を学んでください。」
とありますね。これ、スクールで普通にやっていることなので安心ください。
この記事でわざわざ書かれているのは、フル工程できちんと学べないところが非常に多い、ということです。
技術習得のための良い方法で学んでも、一度学んでそのままにしていたら忘れてしまいますし、意味がなく勿体無いです。一度学んで習得できる人は皆無です。
授業でやっていることを、しっかり反復し、繰り返していただくことは、非常に意味があることとなります。
そして、メンズの書籍の宣伝がありますね。
犬服でもこういった内容の良い技術書があると良いのに!と思う人は多いかもしれないし、現状、犬服で、このメンズの書籍のような内実伴うプロの方が書籍化しているプロが参考にするような書籍は皆無です。
いずれ、後世に技術や知識を広めたい欲が強まった時には、このメンズ技術大百科のような、犬服技術大百科みたいなものをつくりたいかもなと、ぼんやりとは思いますが、おそらく60代以降になってからの話かな?という感じです。
「フル工程が森だとしたら、各工程にあるテクニックは木にあたります。一つ一つの工程を高いレベルでクリアしておくと、これらを網羅した上での服作りを行う事ができます。」
木を教えながら森を作っていく内容で、犬服を学んでもらっています。
木が多いほど、森は豊かになります。
木が少ないとスカスカで、森を作りたいのに森になりません。
他スクール経由で学ばれた生徒さん達は特に、当スクールでの作業を「細かい」「大変」と感じるようです。また、他スクール経由でなくても、犬服なんて簡単と思って、適当に作れると思い始めた方は、こんなに大変だと思わなかったと思われるようです。
服作りは、多くの木が必要で、一つ一つの木を学ぶ必要があります。そして、その木一つ一つを丁寧に育て、数を増やし、森にまで育てる必要があるものです。
服作りが簡単にすぐできるなんていうのは完全なる嘘情報で、それは本当の服作りではないです。
「フル工程と各工程のテクニック、これらをしっかりと学ぶのは大変です。専門学校ではディティールから入る事が多いので、フル工程を理解している人が大変少ないと感じます。また大まかな流れはわかっても、細かいディティールまで手が回らないという学校も多いです。
正直な話、服を学ぶのに3年という期間は短すぎるのです。しかも利益重視の学校の場合、安く雇える講師を採用したり、授業数を減らしたりしますから、これでは技術者は育ちません。このような環境に身を置いた場合、積極的に勉強する意志が大変重要になります。」
能力をつけるために学校へ行くのに、多くある学校全てを知りその情報を持っている人が「行くだけお金と時間の無駄。行っても永遠に手に職にはならない。」とまで言ってしまう学校が多いのが現実。どの学校からも耳障り良い情報しか発信していないのが普通。だから自分の希望や目標に合う、叶えられる学校を吟味し慎重に真剣に選ばないと、学校選びの段階で、既に人生決まってしまう。ほどに重要。
私は、学校選びの重要性と普通は聞けない情報を多くもらい学校選びしたので、やっぱり間違いなしでした。学校では、その他大勢の1生徒に過ぎなかったけど、最初に出会った2人の先生達は私にとっては永遠の恩師で一生感謝していく存在です。
当時、わけわからないながら、ただただ目の前の作業や課題をこなすのに必死なだけで、いっぱいいっぱいだった記憶しかないし、何を習って何が感謝なのか、具体的には言えません。教わった期間も、その後の先生達の方が長い。何も知らない学生側であっても、教わった先生の中で、最初の先生達が一番高レベルな先生達だったことはわかりましたし、最初に高いレベルの先生達に教われたこと、目指す世界の高いレベルの存在に触れられたことは一生の財産で感謝でいっぱい。
社会人後に学校を経験したこともあり、若い頃に入学していたならおそらく見えなかっただろうことわからなかっただろうことも(わかりたくなかったことまで)、多く感じ取れてしまった経験があり、スクールをしていく上で、生徒側の自分が感じた違和感をそのまま含んだ学校にしないようにしたいと思いました。
スクール専業・講師専業になる予定は、スタート当初から変わらず今後も無いため、スクールだけに時間も何も全てを注げず、講師一人では、残念ながら、(専門クラスの)授業数をどうしても多くとることができません。
各ジャンルの現役プロ数人で教えるクラスにしていくなど、将来的に、(プロの)講師に協力いただき、できる範囲で、より高い能力の習得を目指せるクラスを設けられたらと構想中です。
「技術者を育てるための学校」としての存在意識は強いです。
「正直な話、服を学ぶのに3年という期間は短すぎるのです。」と書かれている通りの世界です。
スクールだけで技術者になれるほど甘い世界でないけれど、そのための学校としての貴重な位置付けにはなっているはずだと感じています。
「縫製技術を高めるメリット」
ここで紹介されているものは、プロとして活動し工場さんに依頼するなど連携していくことなどが書かれていますが、犬服を学んでいる生徒さんで、工場にいずれ依頼を考えている人は、学んでいる段階では非常に少ないだろうと思います。
販売を目標にしている多くの生徒さん達は、まずは自分で作って販売スタートし、そのうちに可能であれば、または必要性があれば工場依頼、が現実的でしょうか。
どちらにしても、個人で外注依頼をする場合、縫製工場のことや繊維業界での常識は知っておいた方がよく、何も知らないで安易に接触した場合に、困らせたり迷惑をかけるだけで終わることが多くなってしまいがちです。繊維業界は非常に狭いこともあり、どんな場合においても、先方との共通認識、意思統一が大事になるので、相手を尊重し、必要な連絡は怠らず(一般的な社会人としての常識はもちろん必要)、そして、できる範囲で縫製技術を高める努力をし続け、意思疎通や会話が少しでもできるようにしていくのが最善です。
「縫製技術が高まることのメリット」で一番最初に、経験したり体感したりできるだろうことは、販売する場合、圧倒的に商品品質が上がり、現状、品質の低い犬服が多い状態なので、まだまだその点だけでも差別化をはかれる可能性が高いことです。
スクールで学ぶ技術は、きちんと使いこなせたら、確実に品質をあげていけますので、品質を高めたい方は、繰り返し練習したり、経験値を積んでくださいね。
市場では、商品品質が良いだけで売れるほど甘いものでもないです。
でも、だから品質が悪くてもいい、ということではない。
商品品質が良い、は当たり前のことで、その上で、他にどんな付加価値があるのか、となるのですが、品質が高いことは、プラスになってもマイナスにはなりません。
品質が高いことがスタート地点と捉えるのが、大切なことだと思います。
自作での商品化の場合、品質を追求し続けない人は、いずれ、高品質な服はどんなに頑張っても作れなくなります。これは多くの人達を見てきて、ほぼ間違いなく言えること。
良いことも悪いことも、身についてしまったもの染み付いたものは固定化されて簡単に撮れるものではありません。
高品質を追求し続ける人は、腕が上がり、同じ作業をするにもスピードが上がり、同じ時間内に、より高い技術で数多く作れるようになっていけます。
未熟な段階で、スピードや手軽さを求め、横着したり手を抜く人は「いずれちゃんとやる」と「ちゃんとやらないとダメな時にはちゃんとやる」とどんなに思っていても、永遠にそれができなくなる人が多く、やろうした時にはもう手遅れ状態になりがち。
最初も肝心だし、どういう風に積んで染み込ませていくのかも大事。
何事も、楽して得られるものは少ないです。
特に、成長過程、学んでいる段階で、楽な方へ逃げたり、楽なことを自ら選ぶ人は、自分で自分の限界点を決めてしまうことになり、後になり、励もうとしても、いろんな面で身についてしまったものは、なかなか消せないものです。意識の修正は特に困難なので、はじめから何事も真摯に手をぬかないクセづけは、将来の自分への投資になります。
「あなたが縫製技術を高める事は、工場の質を高め、商品の質を高める事に直結するということがお分かり頂けましたか?より良い商品を作るため、日本の技術力向上のため、縫製技術の習得に励みましょう!」
と書かれています。犬服も全く同じだな〜と。
あなたの縫製技術が高まることは、あなたの商品の質を高めることに直結する。
「より良い商品を作るために〜」からは、犬服でも強めに同感!
犬のために、飼い主さんのために、日本の犬服技術向上のために、パターン技術と縫製技術の習得に励みましょう!
*「縫製技術を高める方法とメリット」のまとめ
縫製技術を高める方法は2つ。
フル工程を学んで全体観を理解する。フル工程の理解が大切。
各工程にあるテクニックを習得する。細かい部分を深く学ぶ。
ということで、各ジャンルのプロの方の記事で、
生徒さんにとり参考になるかも!と思うものを見つけたら、
また紹介していこうと思います!
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