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「すること」が大事なのではなく、「きちんとできていること」が大事



記事タイトルは、何かに特定したことではなくて

日常の生活の中の些細なことでも当てはまることですが、

服作りでは大いに当てはまることで、みんな意識してほしいな、と思っていること。



どういうことかといいますと、


例えば、テーブルが汚れて拭く。



これは、「拭く行為をすること」が目的ではなくて、「綺麗にすること」が目的だから

綺麗になるように拭いてあげないといけない。

拭いた後、綺麗になってないと意味がない。

ただ「拭く」というしぐさや行動をとることが目的ではない。

「汚れを落とす」ことが達成されてはじめて、意味がある。ということ。





「服を作る」という場合、全ての各工程で、頭を使う必要性が出てきます。


「その行為をする」ことよりも「目的が的確に達成されている」ことが大事になります。


例えば、パターン作業では、直角線をひいてもらうことが多々あります。

直角線をひいているつもりでも、それが本当に直角線でなければ意味がありません。





例えば、過去からよく話題に上がり、過去のグログの方で記事にもしているので、

重複する内容もあるかもしれませんが、


「地直し」を例にしますと



「地直しはこうしましょう」とあまり良くない情報が出回っていることもあるので、

多くの情報の中から、本当に良いと思われる情報を選別して

そして鵜呑みにするのではなくて、その情報を生かして、

実際に自分が地直ししたい生地に合う方法なのかをちゃんと考えること、

する前に、それをした後、生地がどうなるのかをきちんと想像すること、

問題が起こりそうなら、その問題が起こらないように考えること、

更にどのようにすれば良いか(より良い方法)を考えること、が大事です。






「地直し」をする、ということは

「地直し」の行為をすることが目的ではありません。


「生地の地の目がきちんと通ること」が目的です。



生地が地直しされていないのに、地直しの行動をとったからと満足していてはいけないし、

何も考えずにただ地直しの行為をすれば生地は地直しされる、というものでないです。



(正しく行わないと、地直しどころか、更に歪めたり生地を傷めたり

伸ばしたりなど、自ら生地を使えない状態にしてしまう場合もあります。

販売を目指し犬服を学ぶ方は特に、しっかりと理解しておかないといけないことです。)





服の縫製のすべての出発が「生地の地直し」だと思います。


出発地点が狂っているのに、正しい到着地点に到達するわけがなく

出発地点での狂いは、絶対に取り戻せません。

地直しを疎かにして服作りするのだとしたら、完成がどんなによく見えたとしても、

それなりの服しか作ることはできないと思います。


正しい出発地点から出発することが、最初の大事なことです。





生地が正しく地直しされて、次は裁断。


裁断でも同じです。

ただ、裁断する行為をすることが大事なのではなく、

型紙通りに正確に正しく裁断することが大事です。


昔は大量生産で、裁断屋さん→縫製工場 の流れが多かったと思いますが、

最近は小ロット生産が増え、縫製工場で裁断をされることが増えてきていると思います。


縫製工場の方が「縫製工場にとって裁断は命」と言われていました。

(この「裁断」の中にはもちろん地直しも含まれます。

裁断は、「地の目命」だからです。)




正しく裁断されていない場合の縫製は、どこかでその不正確さの辻褄合わせをするため

縫製過程で苦労を要しますし、良い服を作ることはできません。




ただ裁断するだけの行為一つとっても、

正確に裁断するために、しっかりと頭を使い丁寧に作業すること、が大事になります。


未熟により、型紙通りに裁断ができない場合は、正確に裁断する意識のもと、正しく多くの練習を繰り返していけば、徐々に上達していくので、ひたすら数を踏み、経験値をあげていきましょう。




きれいに裁断ができないのだとしたら、なぜできないのか?を毎回考えましょう。

そして、一つずつ原因を無くしていきましょう。

常に正確に作業できる最善な状態で作業をすることが、上達への近道です。



正しく裁断するためには、使用する道具選び・道具の使い方も大事です。

(切れない丸刃カッターやハサミを使い、力んで切ったり押し切っている方は要注意です。

そういったクセはつけないことがベストです。)


練習段階で、何も考えずただ裁断する行為を行っている人と、正確な裁断を心がけ、生地のことを考えて裁断している人とでは雲泥の差が開いていきます。





・・・ということが全ての工程にあるわけで


大変!と思う人もいるかもしれないけど、この難しさと奥深さは服作りの醍醐味でもあり、知れば知るほど、その楽しさを満喫できますし、高いレベルでの服作りを目指す方にとっては、これらは必須です。


面倒だしやりたくない!極力楽チンに作りたい!品質の良さとか求めてない!と思う人は、当スクールを選ばないだろうと思うので。(勝手な憶測ですが^^;)


服作りは、簡単に作ろうと思えば、いくらでも簡単にも適当にも作れます。

きちんと作ろうとすると、そんな簡単にできるものではないからこそ、

それを攻略していく道のりが楽しくて、できた時の達成感も大きいと思います。


この服作りの難しくて奥深くて、それがめちゃくちゃ楽しい!!! ってこと、

みんなに知ってほしいなぁ、と思います。



パターンで、頭(+経験値)をフルで使うことは、想像しやすいと思います。


縫製でも、ミシンの設定、生地や材料の選別、付属品の選定、縫い方の工夫、縫製過程での生地の扱い方、アイロンの使い方 などなど、頭と手と経験値をフルで使います。


手の使い方も大事になるので、より良い使い方を早めに体得すると後が楽です。


身につくまで、どう使えば一番いいか、を考えながら身につけていくしかなく、

身につける段階でも、いろんな意味で頭を使うことが必要になります。




「その行為をすること」でなくて「目的の達成」が大事。

「目的達成されて初めてその行為に意味が出てくる」ことを意識して服作りに取り組まれると、見えてくるものやわかってくるものが確実にあります。


何も考えずでも、服を形にすることはできるけれど、

きちんとした服作りを目指すなら、おおいに考え、頭を使ってくださいね。



服を着るわんこと、自分の上達のために

みんな、いっぱい頭を使いながら、服作りしましょう!



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